★20回目の節分草祭、山里で広がる交流 兵庫県丹波市青垣町![]() |
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![]() まず、蓮池のある「江古花園」裏の斜面の陽だまりのセツブンソウ=写真右。花びらのように見える白いがく、その中の黄色の小さい球形の花びら、紫色の雄しべの葯の色の取り合わせが絶妙で、毎年のように見ていても惹かれる。寒さに強く丹波に多く自生しますが、生息地が減ってきた植物を、地元の人が守ってきた。その後集落をまわり、自宅の庭など3か所の生息地を見せてもらった。最後の場所では、ご主人に案内してもらい、花は先だがエビネ、シュンランなどの山野草を教えていただいた。 ◇魅せる「静と動の文化を繋ぐ5人展」 セツブンソウ巡りと合わせ、むら内外の交流を深めようと「江古花園」では「東芦田の静と動の文化を繋ぐ5人展」が開かれていた。地元の達人が積み重ねてきた伝承のちりめん細工、俳句、絵画などが展示されている。 ![]() ![]() ◇丹波の風土駆け抜けるトレイルラン支える 絵画を出展した芦田哲さんの案内で大原さんの自宅を訪れ、トレイルランへの取り組みを尋ねた。大会は丹波市氷上町のプロトレイルランナー中谷亮太さんらが起ち上げた。神戸に住んでいた大原さんは勤務先の燃料会社の転勤で柏原町(現・丹波市柏原町)に移り、仕事で立杭焼の窯元にも出入りするなど丹波の地に溶け込んだ。40歳前でトライアスロンを始め、仲間の縁で青垣町東芦田にキャンプ地を開設して移り住んだ。大学の合宿場所にもなり、マラソンランナーだった妻が20人分の食事の面倒をみた。 コロナ禍でトライアスロンの合宿がなくなる中、「丹波を世界一のレースの舞台に」という中谷さんに共鳴した。五輪競技になってトライアスロンの規格化が進んだこともあり、丹波の自然を舞台にしたトレイルランに大きな可能性を感じた。大原さんは78歳の経験を生かし、地元自治体や住民団体との調整など運営を担っている。 ◇堅固な山城跡がレース後半の山場に ![]() 6月の大会に向けて大原さんは連日登って草刈りや枝払いをしている。山の麓にむらおこし施設「ごりん館」は最近使われなくなっていたが、トレイルランの仮眠所として活用されている。 私自身は「山はマイペースでゆっくり上り下りしたい」が好みで、不眠不休でタイムを競うトレイルランは別世界のイベントだった。ただ、「城址だけでなく、かつて旅人や物資が行き交った峠などを通るコースです。トレイルランが丹波を知り、歴史の道を甦らせるきっかけになれば…」という熱っぽい語りには思わずひき込まれた。コースを参考にさせてもらって、小刻みに丹波トレイルウォークをしてみようかと思った。 =2024年2月12日取材 (小泉 清) ◇ 東芦田の節分草まつりは通常2月第2日曜を軸に開催。2024年の「セツブンソウ回廊」は2月いっぱい見られる。近くの遠阪、森などの自生地を含む問い合わせは、丹波市観光協会(0795-88-5810) 【参考サイト】 TAMBA100アドベンチャートレイル ★青垣・江古花園のセツブンソウ (2013.2.7) ★初夏の東芦田・城の丸 (2018.5.20) |