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4月の柴島浄水場の桜並木通り抜け以来希望していた浄水場見学が師走にようやく実現、大阪市水道局職員の案内で淀川の水から高度浄水処理をしてきれいな飲み水をつくるしくみを教えてもらった。 ◇おいしい水づくりへ何段階も ![]() このあと、甲子園球場13個分の50haに及ぶ浄水場の一部を案内してもらった。テロ対策もあり、こうした機会でないと立ち入ることができない“聖域”だ。先ほどの浄水プロセスのうち実際に水を見られるのは凝集沈殿池だけだが、混和池、フロック形成池、沈殿池の順に細長いプールがいくつも連なっていてなかなか壮観だ。よく見ると、大きな攪拌機が水中で動いていて、後の水槽になるほど水は澄んでくる。 ![]() 凝集沈殿地の底にたまった沈殿物(スラッジ)は水分を抜いて固められ、このスラッジケーキが処理施設から吐き出されていた。一日に出るケーキは50tに及び、搬出されて埋め立てなどに使うそうだ。 ![]() 水道教室や浄水場見学は大阪市内の小学生が主体だが、大人が見ても十分勉強になる中身で、案内スタッフも経験豊かな職員で説明も丁寧でわかりやすい。3時間近い説明と見学で、世界の先端を走ってきて、ベトナムにも技術協力をしている大阪市の水道の仕組みが、ほんの一部ながらよくわかった。 ◇貴重な淀川水系の生物展示存続を ![]() 記念館の裏面側には淡水魚飼育研究棟の銘板が掲げられ、「琵琶湖・淀川水系の生き物を展示しているのは滋賀県立琵琶湖博物館と大阪府水生生物センターだけ」などと誇らしげに記されている。しかし、入口には「現在見学できません」と張り紙がされ、寂しい気持ちがつのる。 琵琶湖・淀川水系の生物を見るだけなら他の施設で代替できるかもしれない。しかし、水を中心にすえた人と自然のかかわりを学ぶ場として、淀川下流域の大都市域にある浄水場内の施設は実にふさわしく、記念館にこうした取り組むみを始め続けてきた人々の視点は高かった。 目先の勘定だけに走るのではなく、利用者や大阪府などの一定の負担など運営の見直しをしながら、これまで蓄積してきた貴重な資産や人材を有効に活用することが必要ではないだろうか。 ◇ 浄水場見学の問い合わせは、大阪市水道局総務課(電06・6320・2874) (文・写真 小泉 清) →本文のページへ戻る |