★1.17メモリアルウォークでたどる震災25年                                 
  今年は初めて「1.17ひょうごメモリアルウォーク」に参加するので、会下山公園を下りた後、西ルート15キロの出発地点の須磨海浜公園に着いた=写真右。7時半を回ると参加者が次々集まって来る。最長の15キロの距離に家人ともども不安があり、ベテランらしい男性に声をかけた。震災当時、兵庫区湊川の借家が壊れ、明石市に移った75歳の方で何度か参加経験があるとのこと。「旗を持ったリーダーについて行って集団から離れなければ着きますよ」と助言いただいた。

  ◇倒壊した鳥居の基部、まちの記憶にと存置
 

  あいさつとストレッチの後、8時にスタート。まず特に被害が大きかった須磨区西部から長田区へと歩いた。街中に震災の傷跡はもう見られないが、町ごとの慰霊碑やモニュメントを建てた公園もあり、足を止めて合掌した。石鳥居が倒壊した長田神社では、震災3年後に再建した後も、震災を伝えるまちの記憶として倒れた鳥居の基部を存置している=写真左。この鳥居をくぐった参道わきの二階建てアパートに1978〜1991年にかけて一人で住んでいたが、震災でつぶれて更地になった。それだけに、石鳥居の亀裂した断面に破壊力の激しさを思い起こした。

 途中3か所で休憩。協賛企業提供の飲み物をいただいて、兵庫区、中央区と山手幹線を東へ。灘区に入って海岸に向かい11時半にHAT神戸にゴールした。平地なので楽といえば楽だが、15キロを休憩込みで3時間半なのでまずまずのペースだ。ほとんどが幹線通り歩きなので、少し味気ないとこともあるが、新長田駅周辺やHAT神戸など神戸の新しい姿がわかった地域もあった。先導の兵庫ウオーキング協会の皆さんは、ほとんどがご年配の方だったが、結構重たいノボリを掲げて歩かれ、頼りがいがあった。
  ◇志と可能性眩しい高校生の取り組み

  HAT神戸のなぎさ公園では「ひょうご安全の日のつどい」を開催。企業や団体、東日本大震災の被災自治体などが出展。災害対応食の試食など楽しめながら災害対策の現在が学べるので有意義だ。

 注目したのは兵庫県の高校生が出展したブース。灘、川西明峰、舞子など6高の「ふくしま学宿チームHYOGO」では各校の生徒が自主的に協力して夏に福島県を訪れ、地元の人たちの取り組みを学んだ成果を説明していた。高砂市の県立松陽高校では、被災者の健康に目配りした備蓄パンを販売(好評につき、訪ねた時は売り切れ)。「今の高校生は社会的関心に乏しい」などとは言えない、若さの可能性を感じた。
     
     
(文・写真 小泉 清)=2020.1.17取材

 

   震災25年の朝の会下山ラジオ体操会 =2020.1.17取材

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