28回目の大屋地区「笠形山登山」に参加                                  
  2018年の黄金週間序盤の4月29日、3年ぶりに東播磨の秀峰・笠形山(939m)へ。いろんなコースがある中、東側の兵庫県多可町から登るのは初めて。毎年この日に「笠形山登山」を開いている麓の同町大屋地区から案内をいただき参加した。

    ◇いろんな要素つまった快適コース

  地区の中心部にある駐車場から集合場所のネーチャーパーク笠形まで、ボランティアの地区住民が自家用車3台でピストン輸送。区長さんのあいさつ・注意と体操の後、午前9時にスタートした=写真右上。

 林道から小滝をかける谷道をさかのぼる。新緑の中を落ちる龍ケ滝など名瀑が見られる。急坂を登って尾根に取り付き、「龍の背」という岩場をこなすと、出発から2時間で明るい頂上だ。下りコースとしては2回経験済みだが、改めて山のいろんな要素が詰まり、ほどよく体力を使ういいコースだと思う。

 播磨、丹波の山々をバックに、薄紅色のツツジ・アカヤシオの花が開いている=写真左上。今年はどの花も1週間早めのようで満開は過ぎているが、何とか間に合った。アセビの小さな白い花もいっぱい垂れている。

   ◇下山後の鉢植えと草餅も魅力 

  まだ昼前なのでゆっくりと下山。これから登りにかかる参加者も多く、4歳の女の子もお母さんに連れられてしっかり登っていた。谷筋の「保護地」のクリンソウは2,3株見られるだけで花も咲いていなかったが、林道に出てから川沿いに自生のクリンソウがぽつぽつ咲いていた。

 ゴールして下山届を出すと、自生の種から地元有志が育てたクリンソウの鉢植えをお土産にもらえ、女性陣手づくりの豚汁と草餅のふるまいも受けた=写真右。今年の参加者は4歳から83歳までの131人。自分のペースに合わせて登り下りできるのも、28年続く人気の理由だろう。安全に気を配り、あったかいもてなしをする大屋のみなさんには「ほんまおおきに、ご苦労さん」の気持ちだ。

   ◇育ての親見送り育成地のクリンソウ開花 

 大屋区長の市位裕文さんに最近の動きをうかがった。クリンソウの保護・育成に40年以上取り組んできた藤田忠次さんがこの3月、91歳で亡くなられていた。お宅を訪ねると、ちょうど49日の法要で留守だったが、隣接した育成地で30株ほどのクリンソウが開花していた=写真左。通りがかった近所の人に「亡くなられても花が咲いていますね」と声をかけると、「あるじなくとも春を忘るな」と返された。

 逝去は残念なことだが、「藤田さんは『若い人がクリンソウの育成を受け継いでくれたのは、本当にありがたい』と話されていました」との市位さんの話で、悲しみの中に明るさが見えた気がした。藤田忠次さんが去っても、大屋地区からクリンソウが消えることはない。今回もらった鉢植えでは、ぜひ開花してほしいと思った。

                         =2018.4.29取材 (文・写真  小泉 清)

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