弥生〜古墳期、新技術導入した先人の軌跡                                  
  豊中市立花町3丁目の高層マンション建設予定地で、2014年3月23日、新免遺跡発掘調査の第2回現地説明会が開かれた。前年末の第1回時に加え、弥生時代後期から古墳時代中期を中 心に竪穴住居約90基が出土。前回分と合わせ100基にのぼり、100平方m当たり5基という数字は、この時代では高い密度の集落という。

 ◇14基の炉並んだ共同炊事跡?

 前回と同様、豊中市教委文化財保護チームの清水篤学芸員や発掘調査会社のスタッフら専門家が解説。朝鮮半島由来の火力が強いかまどを備えた古墳時代の方形竪穴住居が出土、強火で屋根が燃え上がらないよう壁が設けられているとのことでした。14基もの炉が並ぶ弥生時代終末期(1800年前)の共同炊事場跡?もあり、 清水さんは「祭祀か、大がかりな作業で集まった人のためのものか興味深い」と話していた。

◇住居跡から鉄製やじり、2種の紡錘車も

  出土品には古墳時代中期(1600年前)の鉄製鏃(やじり)があり、古墳でなく住居跡から見つかることは珍しいそうだ。同時期の滑石と土師器の2種の紡錘車 も展示され、この時代の住人が新しい技術を取り入れていった様子がうかがえた。高層マンション計画見直しへの話し合いが大詰めを迎える中での説明会でしたが、環境の良い丘 陵地を選んで長く住み続けた先人の息吹を改めて感じることができた。
                     =2014.3.23取材,2017.1.23掲載 (文・写真  小泉 清)

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