★王仁博士通じ交流 受け継がれる吉留さんの志 ![]() |
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百済から先進文化を伝えた王仁博士の墓と伝えられる王仁塚(大阪府枚方市)。その近くにある吉留一夫さんの自宅兼スタジオで、2023年5月4日〜7日の連休期間中、小さな展示会=写真=が開かれた。王仁塚の保全に力を尽くし、1年前の5月5日に87歳で逝去した吉留さんの生涯を写真でたどり、作品の一部が仕事場に展示されている。実家に残された大量の写真に驚いた長女の慶子さんらが「父と知り合いの皆さんにまず見てもらいたい」と一周忌を機に公開したものだ。 ◇ 思うままに写真撮り続けた人生 ![]() 展示作品のメインは、若いころ吉留さんが情熱を傾けた鉄道写真。長男の英雄さんを車に乗せて各地の鉄路を巡った。モノクロ写真ならではの鉄道の姿がとらえられている。大阪城をバックに走る城東貨物線の蒸気機関車の懐かしい写真もある。近くを通る片町線(学研都市線)の歩みを伝える旧国鉄時代の長尾駅や河内磐船駅の駅舎の写真は貴重だ。 博多祇園花笠に魅せられ、博多人形作家のもとに通い詰めた時期も。写真スタジオでは、社交ダンス・フラメンコの撮影を手がけた。起伏ある人生と多彩な作品を見て、いろんな経験を積み重ねられたからこそ、王仁塚の意味にいち早く気づき、韓国側の関係者をはじめ幅広い人々の信頼を得てきたのかと感じた。 ![]() ◇韓国の新記念館にコーナー設置へ ただ、写真展には、王仁塚やムクゲに関した作品が見られない。慶子さんに尋ねると、「韓国の霊岩郡で王仁博士記念館の建設が計画されていて、そこに『吉留コーナー』が設けられるそうです。『王仁塚の環境を守る会』を通じて写真を提供しました」とのことだった。 「守る会」の古澤明久会長に後日尋ねると、この4月に霊岩郡の王仁博士祭が再開され、古澤さんらが4年ぶりに訪問。吉留さんの作品を先方の王仁顕彰協会に手渡した。 ![]() 2016年春に霊岩郡の名誉郡民となった吉留さん。これからも王仁博士を通した交流の広がりを見守っていくことだろう。 =2023年5月4日取材 (小泉 清) ⇒本文「王仁塚のムクゲ」へ |