真壁のひなまつり 茨城県桜川市 ![]() |
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江戸時代の街並みがそっくり残る茨城県桜川市真壁地区で、20年前から開かれている「真壁のひなまつり」。コロナ禍がおさまってきて2月4日から3月3日まで、3年ぶりに再開と聞き、天皇誕生日の2月23日、南隣のつくば市にいる長男一家に、連れて行ってもらった。 江戸時代からの繁栄留める街並み歩きながら![]() ◇「石都」の誇り、真壁石のおひなさまも 朝9時の会場に合わせ中心部の駐車場に入ると、大きな真壁石を加工した「石のおひなさま」が迎えてくれる=写真左上。さすが、愛知県岡崎市、香川県庵治町牟礼町と並ぶ三大石都。真壁石材協同組合の会場で石屋さんに尋ねると、各地の花こう岩の中でも、真壁石は細かい目で墓石に重宝されるとか。しかし、墓石や灯篭の需要は減っているので、石雛とともにスマホ立てなど新趣向の置物も並べてアピールしていた。 ◇「寒い時に温かく」自発的に始まり広がる ![]() ![]() ◇日野商人も出店、水に着目し酒造始める ![]() 街並みの一画の蔵で酒造りをしている村井醸造は創業300年以上の老舗で、創業者の村井重助は現・滋賀県日野町の近江商人。醤油・味噌を売る店を出店したのが始まりで、筑波山麓の水の良さから酒造りに適した地と着目したという。日野町は私もなじみがある古い街並みが美しい町で、雛祭りの時季にも訪れたことがあった。その時に日野商人の関東進出について聞いていたが、村井重助がこの先鞭をつけていたとは初めて知った。日野商人の勇気とともに、流通の要としての真壁の存在感の大きさがうかがえる。 ◇じっくり見て、食べて…街に賑わい運ぶ それぞれの店が真壁と共に歴史を積み重ねてきた。川島洋品店では、店を抜けて中庭の土蔵に入ると、蔵いっぱいにお雛さまが並ぶ。江戸時代は街道を行き交う商人のために、生活雑貨を扱う今のコンビニのような店を営んでいたようだ。 雛飾りをのぞきながら町屋を見て回り、真壁伝承館で民話の語りを聞き、農業大国・茨城県ならではの食を食べ、密度の濃い街歩きをうちに夕方になった。石屋さんも「一日だけのイベントでなく1か月開かれているので、都合に合わせて来てじっくり歩いて見てもらえます。石の製品もこの期間にはよく買ってもらえます」と話していた。 歴史が積み重なってきた街に、「真壁のひなまつり」がこれからもずっと、賑わいを運んできてほしい。 (文・写真 小泉 清) ⇒トップページへ |