霧氷の金剛山から伏見道 大阪府千早赤阪村〜奈良県御所市   

・時期 霧氷は1〜2月の限られた日
・交通 金剛山北面へは近鉄富田林駅から金剛バスで葛城登山口下車(土日祝のみ運行)

・電話
 
千早赤阪村観光協会(0721-21-7557)
    =2023年1月29日取材
金剛山青崩道北尾根の標高1000m近く。自然林に霧氷が輝く
 
 
 寒波襲来の週末、1月29日は冷え込んで好天の予想。金剛山(1125m)でも霧氷が見られそうと近鉄富田林駅に急ぐと、北面の水越峠方面に向かう金剛バスに長蛇の列ができている。積み残されて呆然としていたところ、幸い出くわした知人のグループと組んで、比較的お得にタクシーで葛城登山口に到着。1時間ほどタイムロスしたので、川沿いの林道から急斜面を登り確実な青崩道北尾根の雪道を進んだ。

 寒波襲来、北尾根の自然林に氷の華

  かなり上まで植林帯が続く。楠木正成生誕地に近い北西山麓の建水分神社から上がって来る水分道と合流、標高1000m近くになると西面に自然林が広がり、ノコギリのようにギザギザになった霧氷の造形が見られた。セトを経てほどなく山頂、いつもながら河内平野の展望を楽しめた。

  ◇新雪の雪道踏んで大和盆地に下りる

 人が多いのは苦手なので正面道は避け、大和側に下りようと決めていて、葛木神社に参拝後、最短ルートの郵便道の下り口に着くと「崩壊のため通行禁止」の看板が…。ここでも山が荒れて普通の道が増えているのは残念だ。やむなく少し引き返して伏見峠からの伏見道をとった。雪の上の踏み跡が2人程あるだけで入口では少し不安だったが、沈むほどではなく新雪の感触が心地よく、誰とも出逢わない静かな雪道を味わえた=写真右上。

 ◇大和棟の向こうに高見山系の白い稜線

 1時間少し慎重に下り続けると伏見の里。菩提寺から振り返ると金剛山系の山並み=写真右中、東には大和盆地が見渡せる。今は静かな寺だが、奈良時代に行基が道場を開き、泰澄や弘法大使が修業したとされる古刹。仁王門に金剛力士像が立ち、明治までは病気平癒を祈る参拝者でにぎわったそうだ。

 朝妻の集落を進むと大和棟の向こうに高見山方面の白い稜線が望めた=写真右下。伊勢湾からの風が吹き上げる高見山でも、霧氷の花が満開のことだろう。冬の大和盆地の里歩きで締められて、出発時の出遅れも帳消しにできた。 (文・写真  小泉 清)

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