「日本一長い路線バス」乗り通す 奈良県橿原市〜和歌山県新宮市 ![]() |
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![]() 紀伊半島の流域の歩みと厳しい現実映す朝9時前に大和八木駅に行き、駅前のバス案内所で途中下車有効な「168バスハイク乗車券」(5350円)を購入。9時半発のバスにおかみさんと乗り込みんだ=写真右上。他に新宮をめざすのは我々よりやや年長のご夫婦だけ。![]() 始めは橿原の市街地を走るが、通院のお年寄りらが乗り降りしても全乗客は6,7人程度。最後部座席に移って、車窓からの風景を独り占めにした。新庄(葛城市)あたりから見慣れた金剛葛城山系の山並みが続く=写真左。近鉄御所駅から中高年ハイカーの集団16人が乗ってきたが、10停留所先の風の森で下りて金剛山に向かった。 ◇ 電源開発の地、紅葉映すダム湖 ![]() ![]() 色づき始めた紅葉を映す十津川の流れ、ダム湖=写真左=に心が洗われる。一方、廃校となった立派な小中学校、10年前の紀伊半島大水害による土砂崩れ現場跡を目にすると、流域の厳しい現実を感じる。ここ五條市大塔町宇井地区では、2011年9月4日朝、対岸の急峻な斜面が岩盤ごとから崩れる深層崩壊を起こし、大量の土砂が川を越えて押し寄せ11戸が全壊、さらに土砂ダムの決壊を引き起こし、11人が死亡・不明となった。山の崩壊を防ぐ工事は今年9月に完了したばかりだ。 この大水害で過疎はさらに進んだ。大塔小中学校は2004年に木造2階建ての新合同校舎が完成、大水害で休校し再開を目指していたが、20018年春に閉校となった。 ![]() 日本一広い村・十津川村に入る。ここでは二か所で降車ポイントが設定されており、上野地では「日本一長い」谷瀬の吊り橋=写真右、十津川温泉では奈良交通が特設した足湯を楽しめた。1960年前後に完成した風屋ダム、二津野ダムが続き、高度成長を支えた電源開発の地と思い返す。 ◇安全運転、ゆったり車窓の景色楽しめる 奈良県から和歌山県に入り、熊野川沿いに下る。熊野本宮大社で年長のご夫婦は下り、新宮駅まで乗り通したのはわれわれ二人だけ。吉野杉でできた「完全乗車証明書」をもらった。到着時刻はほぼ予定通りの午後3時53分。特に十津川流域は道幅も狭く、カーブが続くので、とてもではないが、この区間をマイカーで走る気にはなれない。大きなバスを繰る技量と経験があるから安心して沿線の景色を楽しめるのだろう。安全運転はもちろん、沿線の歩みを丁寧に教えてくれた運転手さんにさよならした。 (文・写真 小泉 清) ⇒トップページへ |