からっ風の下「街歩きの時間」 群馬県桐生市 ![]() |
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![]() 戦時下も描き続けた松本竣介の足跡次男で建築家の松本莞さんの監修で下落合に設けたアトリエを再現している。展示作品は、同館所蔵の「街」、「ニコライ堂a」ほか、個人蔵を含め集めた作品53点。作品について質問すると学芸員さんが来て、二つの「黒い花」、「画家の像」と「立てる像」(第1回「アトリエの時間」で展示)とのつながりを説明してもらえた。私が松本竣介を知ったのは、何かの雑誌で見た「立てる像」(1942年)。竣介を反戦・抵抗の画家と称揚するのは行き過ぎだろうが、軍の国策美術に対して「生きている画家」で軍に従属するのでなく芸術家としての立場を明快に打ち出した画家の強さは感じた。その後、長男一家が2年間赴任していた縁で度々訪れた盛岡市の岩手県立美術館で、盛岡で育った駿介の作品が特別に展示されていたことから、街の情景を独特の色調で描いた竣介の作品に注目するようになった。 ◇企業人収集家の情熱込もった大川美術館 なぜ竣介が住んだことも訪れたこともない群馬県桐生市の美術館で、竣介の連続展が開かれるのか当初わからなかった。しかし、30年前に自力でこの美術館を設立した大川栄二氏(1924-2008)の駿介の作品に対する思い入れの深さに驚いた。桐生織の旦那衆かと思ってたら、桐生の老舗の畳屋生まれながら三井物産大阪支店で繊維取引に駆け回った後、ダイエーに入り拡大期に副社長を務めた異色のコレクターだった。 ![]() 建物はこぶりだが、収蔵作品は松本竣介の作品80点のほか、桐生にゆかりのある画家、ピカソをはじめヨーロッパの絵画を含め広い範囲に及び、2時間半回っても飽きない。大川氏の審美眼と情熱を感じさせるきらりと光った美術館だ。 ◇関東唯一の西宮神社、黄葉の中ゑびす講 ![]() ![]() けっこう動き回ったので、桐生名物とすすめられた「ひもかわうどん」=写真右=を食べに。きしめんどころでない幅広のうどんに、またびっくり。意外と関西に近い桐生に満腹しました。 (文・写真 小泉 清)=2019.11..20 ⇒トップページへ |