雪の寒風山〜大谷山 滋賀県高島市           

・時期 12月〜3月
・交通 JR湖西線マキノ駅から高島市コミュニティバスでマキノ高原温泉さらさ下車
・電話  マキノ高原管理事務所(0740・27・0936)
    =2020年2月28日取材

寒風山から大谷山に続く雪の稜線
 
 
  列島ぐるみの新型肺炎自粛の中で終わる2月。暗い気持ちを振り払おうと、冷え込む予報が出ていた28日朝、滋賀県高島市のマキノ高原から寒風山、大谷山へと登った。

 雪原の頂から望む日本海と琵琶湖

 前日は降雪と聞いていたが麓は積雪0、地元の人がグラウンドゴルフ場でプレーしていた。今冬は早々と閉園したファミリースキー場を上がって山道に入る。標高500mほどを超えると雪道に。このあたりで、春に先がけて咲くマンサクの花=写真=を見かけた。

 標高700mを過ぎると雪が深くなっていき、ずぼっと沈み込むので締まった場所を選んで登る。道を横切る獣の足跡はあっても人のトレースはないのでここ2、3日の間に降った雪だろう。北国なのでこれくらいの標高から、小ぶりながらもブナ林が現れてくる。麓から3時間、12時半くらいに寒風山(850m)の頂上に立った。南東に琵琶湖の湖面が広がる快適な場所だ。

 少し休んで稜線の樹間を通り南側の大谷山に向かう=写真。このあたりが雪は一番深く、沈んだ靴を引き抜きながら進む。「やっぱりスノーシュー(欧風雪かんじき)を持ってきてた方が良かったかな」と思うところだ。広い笹原の雪道を登り返して標高814mの大谷山頂へ。琵琶湖はもちろん北東に滋賀・岐阜県境の峰々、北側には日本海の若狭湾まで見渡せる贅沢な展望台だ。金曜日だったためか他の登山者には全く出会うこともなかった。雪山を味わえないまま冬が終わるのかと危惧していたし、新雪を踏んで自粛ムードを振り払えたので、ひとまず満足して往路を下った。

 ◇温暖化が崩す冬の魅力と雪の恵み

 ただ、寒風山山頂付近で期待していた霧氷は、冷え込み不足か見られず。この山域は30年前、10年前の冬にも登っているが、やはり寒さや雪量は緩くなっているように感じる。昭和初めに解説された老舗のマキノスキー場はスキー人口の減少、施設の老朽化で2005年までにリフトを撤去、ファミリー向けに特化。運営会社はスンーシューのトレッキングも行っているが、今冬のような状況なら手の打ちようもないだろう。冬の山の魅力を保ち山麓のにぎわいを支えるためにも、温暖化の防止は待ったなしと思った
   (文・写真  小泉 清)=2020.2.28

 
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