ノダフジの甦り ラリーで確かめる                                  
  2017年4月22日(土)行われた福島区でのイベント「のだふじウォッチングスタンプラリー」に参加、「よみがえった福島区の花 のだふじ」で紹介されたノダフジの広がりを確かめた。

 大阪福島ライオンズクラブの主催で、集合場所の江成公園には集合時間の9時30分前から参加希望者が続々集結。自宅ガレージで見事な藤棚を設けている後藤賢二さんのガイドで2時間半かけて回った。チェックポイントは同公園、吉野小学校、浦江聖天、春日神社だが、松下幸之助創業の地に設けられた大開公園、野田阪神駅前通の商店街=写真=左、工場跡地に再開発が進む野田駅北側にできた海老江東公園などさまざまな街角で、藤棚や鉢植えのノダフジを堪能できた。

 野田阪神駅前の藤棚は規模が大きい分、花の咲き具合が悪かった時はより貧相に見えたが、今は、多くの人が乗降し、待ち合わせる駅前にふさわしい咲き方となっていた。

 ◇人生経験と人脈キラリ、多彩な藤守さん

 下福島公園では、多くの藤棚で生き生きと甦ったノダフジ=写真右=を見ることができ、充実したラリーのゴールとなった。最後のスタンプを押してもらった人は、ここで管理の中心になっている仲良三さん(66)だった。「植物の経験はなくても、いろいろなものをアレンジするという基本では料理と同じなので、すっと入って行けました。ただ、フジは生きものなので、料理と違って同じやり方をしても咲くことも、咲かないこともあります。それも面白いところです」。

  野田阪神駅前の藤を元気にした藤の翁・田村尚さん(88)も下福島公園に来られていた。徳島県藍住町で、いろいろ工夫して野菜や果物をつくっていた父の薫陶を受け、戦争で若い男手が少ない中で頑張った。26歳で大阪に出てきて会社を興し、80歳を過ぎて譲って「ノダフジの会」の活動に入ったが、若い時の経験や父の教えが生きているという。フジにのめりこんだのも、詩吟の後輩が関係する保育園のフジの手入れを頼まれたのがきっかけだ。

 ラリーの参加者が次々ゴールするわきで、仲さんと田村さんは防鳥ネットの調整を行っていた=写真左から。お二人とも、フジと直接かかわった期間はそう長くないのだが、その背後に、長い人生の歩みがあることを改めて感じた。

               =2017.4.22取材  文・写真 小泉 清
ノダフジが織りなす人間模様を記録
=2017.4.20取材

野田・玉川のノダフジ=2012.4.27取材
              
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