★ 聖地のマラカナン・スタジアムで監督席に                                                
 ブラジルといえば、やはりサッカー。日程の都合でポルト・アレグレで予定していた試合観戦はできなかったが、「聖地」のリオのマラカナン・スタジアムを4月16日に見学。職歴60年、81歳のベテランガイドさんの顔でスムーズに回れた。

 入るとすぐ<Maracana 1950・2014>と書いたイラスト。ここでW杯決勝が戦われた年だ。1950はウルグアイに1−2で敗れた「マラカナンの悲劇」、記憶に新しい2014はドイツに1−7で惨敗してセレソン(ブラジル代表)が、ここのピッチにも立てなかった年。経済も外交もサッカーもドイツ◎は抵抗があるので、2018W杯では雪辱してほしいものだ。

 記者席から見たフィールド、当初20万人が入った観客席は、やはり広い=写真上。ゲートから入って監督席にも座らせてもらった。屋内には画面のゴールにシュートするコーナーもあるが、キーパーの動きが機敏でことごとくキャッチ。スタッフのお兄さんに見本を示してもらうと、立て続けにゴールを割り=写真右、躍るような足さばきに「これは違う」と脱帽した。

 最後のショップ、セレソンの黄色のウエアは手が出せない値段だが、ホームチームでジーコも活躍したフラメンゴのは、赤と黒の横縞が映えるので来場記念に購入。翌日これを着てリオの街中を歩くと、「ええやん」と親指を上に向けるサインを受け、「メンゴ、メンゴ」と声をかけられ、国立歴史博物館では見学の小学生の一団が駆け寄ってきた。一方、同じリオの名門チーム「ヴァスコ・ダ・ガマ」のサポーター何人かからは「フラメンゴあかん」「ヴァスコが一番」の手サインを受けた。「巨人あっての阪神」といった意識のようで、敵意を示すというより「エールの交換」という感じで、明るい気持ちになった。
                           =2015.4.16取材 (文・写真  小泉 清)

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