間近に大作、充実のサンパウロ美術館                                                
 ブラジル入りの翌日、4月10日にサンパウロ美術館(MASP)を訪ねた。金曜午後6時から8時は無料と教えてもらい、街路樹の花がまぶしい坂道を上がり、パウリスタ大通で一際目立つ赤い建物=写真=に6時入館。2階の広いギャラリーにはルーベンス、ヴァン・ダイク、ゴヤ、エル・グレコ、ルノワールらの大作がずらり。コレクターの好みからかロートレックも充実している。特にレンブラント「金の首飾りの男」をはじめ肖像画に惹かれた。

 すぐ手前の白線まで近づいて作品を見られるうえ、フラッシュなしなら写真OKとのこと。マネの「馬に乗る女性」「ライオン狩りの男」=写真右=を入れて撮らせてもらった。大柄な男性スタッフが随所に立っているがソフトな表情で、念のため撮影可を確認すると、シャッター押しまでしてくれた。

 ヨーロッパの名品だけでなく、地下1階でブラジルの歴史的絵画、1階で現代絵画の企画展が開かれていて、ブラジル美術に初めて触れることができた。

 ショップをのぞくと、全収蔵品の解説書3巻を定価の25%の50レアル(2000円)でキャンペーン販売中だった。重量7.5キロの大冊をかついで帰り、時々眺めている。
                          =2015.4.10取材 (文・写真  小泉 清)

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